みなさんこんにちはシャーロックです
2022年8月6日という事でONE PIECE FILM REDが封切りされてジャンプ勢はその話題で持ちきりですね
しかし、今回は久しぶりに読切の感想です
目次
『霊媒師の心理学』
久しぶりに面白い読切作品を読みました
読んだのは2022年WJ35号に掲載された『霊媒師の心理学』
(引用:週刊少年ジャンプ2022年36号/集英社)
作者の櫻井樹先生は1999年生まれなのでまだお若いです
担当には最近アニメ化が決定した「マッシュル」を立ち上げた浅井編集がついているようですね
作品全体の感想
この『霊媒師の心理学』ですが話の構成が綺麗で良かったです
読切作品というのは一話に起承転結をまとめないといけないので特に構成に目が行ったのかも知れませんが読後感がかなり良かったです
話を綺麗にまとめつつヒューマンドラマをしっかりと描けているというのも個人的にポイントが高かったです
話の魅力は様々な背景を抱えながら霊媒師として働く霊媒師たちのヒューマンドラマなのだと思います
過去に失態の責任を一人で負わされて霊媒師を辞めた"橘さん"という元霊媒師が作中の事件の鍵を握るのですが、その背景にある人間臭さのリアル、そして橘さんの揺るぎない信念がたまらなかったです
恐らく橘さん本人も自分がやっている事は間違っているし、馬鹿な事だと分かっているのですが曲げられない信念を貫き通し全てが終わったら社会的な制裁を甘んじて受け入れる姿はとてもカッコいい
(イケおじというのはこういう人の為にある言葉かも知れません)
そして、こういうヒューマンドラマはどこかで聞いた事があるかも知れないしある程度のキャリアを積んだ作家さんならば、そこそこの内容のものを描けるのかも知れません
しかし、どこか作家が狙っている事が見透かされて読者側が冷めた目で見てしまったり、やりたい事を詰め込みすぎて話の統制が取れていなかったりする事が多いと感じるのですが『霊媒師の心理学』は違和感を感じる事が一切ありませんでした
プロの技がなすものなのでしょうか?ここのロジックは素人に分かる訳はありませんね
面白さの考察
また、読切という短いページ数でかなり満足感を得る事が出来る作品でした
連載漫画は話の流れがあるので1話の少ないページでも満足する事は多々あるのですが読切のシステム上、一話の中でやる事が盛りだくさんです
- キャラ立て
- 世界観の説明
- 敵の登場
- 主人公の活躍(決めゴマ)
- 話のまとめ
etc…
読切はこれだけのノルマをこなしつつ作品のオリジナリティを出さなければ、いけないのですが当然オリジナリティを見せる為のページは少なくなります
では、『霊媒師の心理学』がどうしてここまで満足感を得る事が出来たのか?少し考えてみました
私シャーロックの個人的な見解ですが主人公の「詐欺師」としての二段、三段構えの策略や二転三転する話の展開が作者の予想を良い意味で裏切ってくれたからだと思います
私は初め『橘さんが己の面子の為だけに三首へ復讐すべく暴走し周りに迷惑をかけ手に追えなくなった所に主人公がやって来て尻拭いをして問題は解決して話は終わる』そんな作品だと思って読み進めていました
しかし実際には橘さんは亡くなった子供たちとの約束を守る為に三首へのリベンジを誓い徹底的に準備をしていた。そして心理学を武器に霊媒師として働く主人公の役目は橘さんとのサポート
私は勝手に少年誌で対魔物だと戦いを描くだろうと予想していたのでいい意味で期待を裏切られて満足出来たのだと思います
そして冒頭でも触れましたが読後感が良いと感じたのは、やはり橘さんが自首した事だと思います。橘さんが自首する事を主人公たちに告げる演出も良かったですし、その自首が霊媒師の現体制の改善にも繋がった
ここが話の落とし所として非常に満足でした
作画
そして、やはり面白い読切作品を読んだ後で考えてしまうのが連載したらどうなるかですよね
私は連載を続けていく上で一定の作画力も必要だと考えています
櫻井先生の絵は連載しても問題ないと考えます「ネウロ」「暗殺教室」「逃げ若」の松井先生の絵に似ているかなと素人ながらに感じました
一つだけ気になったところはキャラの喜怒哀楽の「哀」以外は表情で描く事は苦手なのかな?と思ってしまいましたね
しかし、櫻井先生はまだまだお若い様なので画力に関しては伸び代もあり何も心配ないとも思っています
個人的にはこの手の話が毎回、数話完結で出来る連載作品がジャンプに来て欲しいと思うので是非とも連載勝ち取って欲しいです
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